ザガーロは、デュタステリドを配合したAGA治療薬です。ヘアサイクルを正常に整えて薄毛や抜け毛の改善効果が期待でき、プロペシアより高い発毛効果を得られると近年注目されています。
本記事ではザガーロについて、効果やほかの薬との違い、服用時の注意点を解説します。薄毛や抜け毛に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
- AGA治療薬のザガーロとは
- 元は前立腺肥大症
- 主成分がデュタステリド
- AGA治療薬ザガーロの主な効果
- 発毛効果
- 半年~1年で効果を実感できることが多い
- ミノキシジル外用薬と併用でAGA治療効果が高まる
- 半減期がある
- 長期間服用しても耐性はつかない
- AGA治療薬ザガーロとプロペシアの違い
- ザガーロはプロぺシアより強力
- 服用目的
- 取り扱い方法
- AGA治療効果を得るためのザガーロ服用方法
- 服用のタイミング
- 服用時間
- 飲み忘れた場合
- 初期脱毛が起こる
- 皮脂が減り頭皮が乾燥
- 効果を実感できない方がいる
- 献血できない期間がある
- ほかの薬との飲み合わせ
AGA治療薬のザガーロとは
ザガーロは、グラクソ・スミスクライン社によって開発されたAGA内服治療薬です。韓国に次いで2番目となる2015年に、厚生労働省の承認を得て、日本でも販売が開始しました。現在ではトーワやサワイなど、さまざまなジェネリック医薬品が流通しています。
元は前立腺肥大症
ザガーロは元々アボルブという名で、前立腺肥大症の治療薬として服用されていました。アボルブに含まれる有効成分デュタステリドが、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンの生成を抑制する作用があることが発覚しました。AGA治療にも役立つのではないかと考えられるようになり、デュタステリドを主成分とするザガーロが開発、承認されました。
主成分がデュタステリド
ザガーロでは、有効成分であるデュタステリドが主配合されています。日本皮膚科学会が発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、AGA治療におけるデュタステリド服用の推奨度はAランクでした。このことから、専門家もデュタステリドでのAGA治療を強く推奨していることがわかります。デュタステリドには、AGA発症の主な原因といわれるジヒドロテストステロンという男性ホルモンの生成を阻害する機能があります。薄毛の進行を遅らせるだけでなく、発毛や育毛を促す効果も期待できます。また、太くコシのある毛髪へと成長させる効果もあるため、頭部のボリュームアップも実感しやすいでしょう。
AGA治療薬ザガーロの主な効果
ザガーロには、還元酵素の一種である5αリダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンの生成を抑制する作用があります。髪の発毛サイクルを正常に整え、薄毛によって細くなった毛髪を太く強いものへと成長させる効果が期待できます。次の項目で、ザガーロの詳しい効果を解説します。
発毛効果
AGAの症状は、還元酵素の一種である5αリダクターゼと、男性ホルモンのテストステロンが結合することによって起こります。結合によってジヒドロテストステロンが生成され、毛乳頭細胞の男性ホルモンレセプターに取り込まれると、薄毛や抜け毛などの症状が発生します。ザガーロに含まれるデュタステリドには、5αリダクターゼを抑制する働きがあります。5αリダクターゼとテストステロンの結合を防ぎ、脱毛因子を減少させることによって、ヘアサイクルを改善して発毛や育毛を活性化します。なお、5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型が存在しますが、ザガーロに含まれるデュタステリドは、この両方の働きを制御することができます。
半年~1年で効果を実感できることが多い
ザガーロに限った話ではありませんが、AGA治療薬は基本的に即効性が低く、効果が出るまでに多くの時間を要します。ザガーロの場合は、最低でも半年は服用を継続する必要があります。ただし、AGAの進行具合が軽度な場合は、3か月程度で効果を実感できるケースもあります。反対に症状が進んでいるケースでは、効果が出るまで1年程度かかるといわれています。なお、1年以上服用を続けても効果を感じられない場合は、ザガーロが適合していない可能性が考えられるため、他の治療法へ切り替える必要があるでしょう。
ミノキシジル外用薬と併用でAGA治療効果が高まる
ザガーロは、ミノキシジル外用薬と共に使用することで治療効果が高まります。ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗るタイプの薄毛改善治療薬です。毛髪を生成する毛母細胞を活性化させ、ヘアサイクルを正常に整える作用があります。ザガーロとミノキシジルはそれぞれ異なる作用を持っているため、組み合あわせて使用することで、AGAの改善効果をより実感できるでしょう。
半減期がある
半減期とは、代謝の科学的な反応により、薬の効果が半減する期間をいいます。半減期が短いことは、薬物が素早く代謝、排泄されることを意味します。反対に半減期が長い場合は、薬が長期間にわたり体内で作用することです。ザガーロの有効成分であるデュタステリドには、約2週間の半減期があります。同じAGA治療薬のプロペシアの半減期が約6~8時間であることを考えると、ザガーロは長期間にわたって体内で成分が作用するため、その分効果を強く感じやすいといえます。
長期間服用しても耐性はつかない
ザガーロを長期間服用しても、薬剤耐性はつきません。薬を使い続けると細菌が持つ薬への抵抗力が高くなり、薬が効かなくなるケースがあります。たとえば、同じ頭痛薬を頻繁に服用すると、徐々に薬を飲んでも効果を感じなくなり、薬への耐性がついてしまうことがあります。これを薬剤耐性といいます。ザガーロは、服用を続けたとしても薬剤耐性がつくことはないため、長期間の治療でも安心して続けられるのが特徴です。
AGA治療薬ザガーロとプロペシアの違い
ザガーロと並ぶAGA治療薬として、プロペシアがあります。プロペシアは、世界初のAGA治療薬として知られており、有効成分としてフィナステリドが配合されています。次の項目で、両者の違いを解説します。
ザガーロはプロぺシアより強力
ザガーロとプロペシアは、どちらも5αリダクターゼの働きを阻害する作用を持っています。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類が存在します。プロペシアはⅡ型のみに作用しますが、ザガーロは両方の働きを抑えることができます。ザガーロの方が5αリダクターゼにおける効果範囲が大きいため、プロペシアよりも強い効果を発揮します。
服用目的
ザガーロはAGAを改善する目的で処方され、薄毛や抜け毛などの症状の悪化を防ぎます。一方プロペシアは、AGAの進行を遅延する目的で服用されます。症状を遅らせ、現状を悪化させないことが主目的であるため、根本から改善する場合は他の方法を取り入れる必要があります。
取り扱い方法
どちらも男性のみが服用できる治療薬であるため、女性や未成年の使用は認められていません。とくにザガーロの場合、経皮吸収されるほど配合成分が強力なため、カプセルから漏れ出た薬剤であっても女性や小児に触れさせてはなりません。万が一触れてしまった場合には、すぐに水と石鹸で洗い流しましょう。
AGA治療効果を得るためのザガーロ服用方法
ザガーロの治療効果を得るためには、用法容量を守って正しく服用することが重要です。ザガーロ治療薬には0.1mgと0.5mgの2種類がありますが、どちらを処方されても、1日1回1錠の服用ルールは変わりません。次の項目で、ザガーロの正しい服用方法を紹介するため、ぜひチェックしてください。
服用のタイミング
薬を飲むタイミングに、食前や食後などの決まったルールはありません。そのため、自身が飲みやすいと思う時間に服用するとよいでしょう。
服用時間
ザガーロを一度服用した後は、24時間以上の服用間隔を取る必要があります。そのため、朝起きてすぐ、夕食後など、大体の服用時間を自身の中で決めておくとよいでしょう。
飲み忘れた場合
ザガーロは、1日1錠を24時間以上の間隔を空けて服用します。飲み忘れた場合は、気付いたときに1日分の用量を服用してください。間違っても、薬が苦手なため2日に1回飲んだり、より効果を実感したいから1日に2錠服用したりするなど、自己判断で服用用量を操作するのは絶対にやめましょう。前日の分を飲み忘れたとしても、必ず1日1錠の用量を守って服用してください。
初期脱毛が起こる
ザガーロの服用をはじめると、初期脱毛が起こる可能性があります。これは、ヘアサイクルを正常に整えようと、体内の発毛作用を持つ因子が働くことによって生じる現象です。初期脱毛の症状には個人差があり、一気に大量の毛髪が抜けてしまう方もいれば、長期間に渡ってゆっくり抜けていくケースもあります。一般的には、服用を開始してから1か月程度で初期脱毛の症状があらわれることが多く、2~3か月経過したら、その後は徐々におさまります。ただし、人によっては症状が全くあらわれない方もいます。症状が出ないからといって薬の効果がないわけではないため、しばらく様子を見ることをおすすめします。間違っても、焦って服用を止めることだけはしないでください。
皮脂が減り頭皮が乾燥
ザガーロを服用することで皮脂が減り、頭皮が乾燥するケースがあります。ザガーロに含まれるデュタステリドは、酵素の一種である5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の働きを抑制する作用を持っています。そのなかでもⅠ型は、皮脂腺に多く分布しています。デュタステリドが5αリダクターゼⅠ型の働きを抑制することで、皮脂腺に何らかの障害が発生し、皮脂が減少する可能性があります。そのため、人によってはザガーロを服用することで、頭皮の乾燥を感じるケースもあるでしょう。
効果を実感できない方がいる
ザガーロを服用しても、効果を感じられない方もいます。そのような場合は、次の項目に当てはまらないか確認をしてみてください。
・AGAが原因ではない
・用法容量を守っていない
・服用を短期間でやめてしまった
・頭皮環境や毛髪のケアしていない
効果があらわれない一つ目のケースとして、AGAを原因とした薄毛ではない可能性があります。AGAが原因で薄毛や抜け毛が起こっている場合はザガーロで改善できますが、その他の病気や皮膚疾患が原因の場合は、改善が難しいでしょう。また効果が出ない原因として、薬の用法容量を守っていないケースもあります。決まった量を服用しなかったり、飲み忘れが多かったりする場合は、薬の効果を十分に得られない可能性が高いです。服用を短期間でやめてしまった場合も、効果を実感できないことが多いでしょう。なぜなら、ザガーロは効果が実感できるまでに半年~1年の期間を要するからです。乱れたヘアサイクルを正常に戻すために長期間にわたって服用を継続する必要があるため、途中で中断しては十分な効果を得られません。なお、ザガーロを正しく服用できていても、自身に合うシャンプーを使用していなかったり、栄養素を十分に摂れていなかったりする場合は、十分な効果があらわれない可能性があります。ザガーロだけに頼り過ぎず、普段の生活から健やかな毛髪が育つよう努力することが大切です。
献血できない期間がある
デュタステリドを含む血液が、女性や未成年に輸血される事態を防ぐために、ザガーロ服用中は他人への献血ができない決まりがあります。女性が妊娠している場合、生まれてくる赤ちゃんの生殖器の形成や発育に悪影響を及ぼし、健全な成長を阻害する可能性があります。ザガーロは半減期が約2週間と長いため、完全に血中から成分がなくなるまでは献血ができません。そのため、献血する際には、最低でも6か月以上服用を中止する必要があります。また、その後献血をおこなう場合でも、念のため医師に相談するとよいでしょう。
ほかの薬との飲み合わせ
ザガーロに併用禁忌薬はありませんが、併用時に注意すべき薬は存在します。飲み合わせの条件によっては、身体に何らかの悪影響が及ぶ可能性があるため、事前に把握しておくと安心でしょう。代表的な併用注意薬にCYP3A4阻害薬があります。具体的には、プロテアーゼ阻害剤や抗うつ薬で使用されるネファゾドン、制吐剤のアプレピタントなどが挙げられます。CYP3A4阻害薬とザガーロを併用すると、阻害薬の作用で有効成分デュタステリドの代謝が悪化し、血中濃度が上昇します。そうなると、腎機能低下の症状を招く恐れがあります。
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