AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」の意味です。
成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことです。
思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。
一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。
日本では1000万人以上の方が抜け毛や薄毛で悩んでおり、日本人の成人男性の約3人に1人がAGAを発症していると言われています。
- AGAは病気なのか
- AGAは放っておいても治るか
- 早ければ早いほど効果的なAGA治療
- ヘアサイクルが乱れる原因
- 男性ホルモン
- 遺伝
- ストレス
- 食事
- 生活習慣
- 薄毛の原因について
- AGAは完治するのか
- AGA治療方法と期間
- AGA治療期間の途中経過
- 治療開始からの1ヶ月程度
- 1ヶ月~3ヶ月程度
- 3ヶ月~半年程度
- 半年~1年程度
- 2年経過後以降
- AGA治療方法
- AGA治療薬(内服薬・外用薬)
AGAは病気なのか
AGA(男性型脱毛症)は毛髪サイクルが乱れる病気です。
髪の毛には1本毎に寿命があり、成長期(伸びる)→退行期(抜ける)→休止期(生える準備)という毛髪サイクルを繰り返しています。
この毛髪サイクルの成長期に、髪の毛を育てる毛包の成長が不十分だと細く弱い髪の毛となり、しっかり成長できないうちに抜けてしまうのです。
また、このプロセスには回数の限界があり、一生の間に決められた回数だけ繰り返されます。
そしてAGAの場合、このヘアサイクルが極端に短くなるため、髪が細く、短くなります。
最終的には、髪の毛が全く生えてこなくなります。
イメージとしてはこれと同じことが、AGAのヘアサイクルにおいてもいえるわけです。
一般的なヘアサイクルは2~6年と言われています。
しかし、AGAにかかるとそのサイクルが数ヶ月程度まで短縮されてしまうのです。
これにより生え変わる回数が上限を迎え、脱毛症状が進行してしまうといったイメージです。
AGAは放っておいても治るか
結論から言えば、AGAは放っておいて治ることはありません。
AGAは進行性の脱毛症であるため、自然に治癒することはないのです。
またAGAが進行してしまってから治療を開始すると、必要な治療が増え、治療費も高くなります。
反対に治療開始が早ければ早いほど、さほど進行していない段階で治療を行えるため、結果的に早く効果を実感できたり、費用面も抑えられるケースが多いです。
なおAGAは進行性の脱毛症と言われる通り進行速度が緩やかであり、気づいた時にはかなり薄毛が進行していたり、髪の成長サイクルに異常が発生していることも珍しくありません。
この状態に気づかず対策を取らないと、薄毛がどんどん進行し治療の治療がより難しくなってしまいます。
早ければ早いほど効果的なAGA治療
生え際や産毛、毛包すらなくなってしまった場合の回復は難しくなります。
「最近生え際が気になるな・・・」、「ちょっと薄くなってきたかな・・・」と気になり始めたらすぐに治療を行いましょう。
初期の段階では薬を使用して治療を行うことができますが、AGAが進行してしまうと自毛植毛が必要になる可能性もあります。
安心・安全でコストを抑えるためにも早期治療はとても大切です。
また、AGAは未成年でも発症します。
ヘアサイクルが乱れる原因
ヘアサイクルが乱れる原因は人によって異なります。
治療を行うのであれば、その原因についても知っておきたいですよね。
ヘアサイクルが乱れる原因として考えられるのは男性ホルモンの影響、遺伝、ストレス、食事、生活習慣等があげられます。
それぞれについて説明していきます。
男性ホルモン
AGAを引き起こす主な原因となっているのはテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの一種です。
テストステロンは、5αリダクターゼと結びつくことによって、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変換されます。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと、髪の毛の正常なサイクルを狂わせてしまうのです。
遺伝
AGAの主な原因は男性ホルモンの影響ですが、そのホルモンの生まれつきの分泌量や感受性を決めるのは遺伝子です。
親からの遺伝で、生まれつき脱毛を誘発する5αリダクターゼの量が多い方の場合は、やはり抜け毛や薄毛になりやすくなる傾向にあります。
ストレス
ストレスが溜まってしまうと、自律神経が緊張し、血管が収縮してしまうため、頭皮の血行が悪くなります。血行が悪いと毛根への栄養が十分に行き届かなくなります。
髪の毛の成長に必要な栄養が届かない状態は薄毛の原因となってしまいます。
食事
脂分・塩分・糖分を多く含む食べ物を食べ過ぎてしまうと薄毛の原因となってしまいます。
多く摂り過ぎると血行が悪くなり、髪の毛に栄養が届けることができなくなったり、代謝が悪くなることによって頭皮の状態も悪くなってしまいます。
また、髪の毛の主成分であるタンパク質が不足すると髪の毛はどんどん細くなってしまいます。
摂り過ぎることも不足することも良くありません。
あくまでもバランスよく摂取することが大切です。
生活習慣
睡眠不足、運動不足など生活習慣の乱れも原因になります。
睡眠不足の状態では、栄養がきちんと髪の毛まで届けられません。
睡眠のゴールデンタイム(22時~2時)にはベッドに入るように意識しましょう。
また、運動不足も血行が悪くなってしまうので、ヘアサイクルの乱れの原因となってしまいます。
意識して体を動かしましょう。運動することで血行が良くなり、ストレス解消にもつながります。
薄毛の原因について
毛髪サイクルが乱れている原因によって、対処方法も変わってきます。
例えば、男性ホルモンが原因であれば、5αリダクターゼを抑制し、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を止める必要があります。
そのためにはフィナステリド(プロペシア等)を使用することが効果的です。
また、偏った食事等で髪の毛に必要な栄養が不足している場合は、食生活の改善はもちろん、不足している栄養を補えるようなサプリメントを飲む等の対応が必要になってきます。
AGAは完治するのか
薬の継続が必要であるという意味では、残念ながら、AGAは完治しません。
AGAの治療は「現状維持」「進行を遅らせる」ことが目的となります。
AGAを引き起こしているのは変異した男性ホルモンです。
そのジヒドロテストステロン(DHT)が生成されないようにするには、フィナステリド(プロペシア等)の力が必要です。
フィナステリド(プロペシア等)の効果を持続させるには、薬は飲み続けなければなりません。
進行型の薄毛ではなく、一時性の脱毛症(円形脱毛症など)は、完治が可能です。
AGAの進行スピードや症状には個人差があるため、治療方針は患者様によって異なります。
理想のイメージを実現するために、どのような状態にしたいのかを明確にしておくようにしましょう。
AGA治療方法と期間
AGA治療は継続することで効果が出ます。
治療薬の効果が実感できるようになるのには早くても3ヵ月はかかります。
そして、効果が出たからと言ってやめてしまえばまた元の状態に戻ってしまうので、継続しなければその効果も持続しません。
また、治療薬を続けて1年経っても効果がない場合は、最終的には自毛植毛等へ治療方法を変更することも必要です。
AGA治療期間の途中経過
AGA治療期間中には、途中経過によって様々な効果が現れます。
ここでは、治療を開始してからの期間別に期待される効果について掲載します。
治療開始からの1ヶ月程度
初期脱毛、体毛が濃くなる など
1ヶ月~3ヶ月程度
初期脱毛が落ち着き始める・ヘアサイクルが正常化する など
3ヶ月経過~半年程度
AGA治療効果の発現、体毛の濃さが増す など
半年~1年経過程度
発毛が期待できる、見た目や印象に変化が現れる など
2年経過後以降
効果の実感、減薬の検討開始 など
治療開始からの1ヶ月程度
まずAGA治療開始直後は初期脱毛が見られますが、心配は要りません。
これは、ヘアサイクルの正常化に関係しています。
先述の通り、もともとAGAによる薄毛の主な要因はヘアサイクルが乱れる事です。
治療を開始するとまず薬の効果でアナゲン(成長期)、テロゲン(休止期)をそれぞれ正常に戻せるように働きかけます。
その結果、ヘアサイクルを矯正するために初期脱毛が起こります。
しかし、治療が進むにつれてヘアサイクルが正常化し、抜け毛もおさまってきますので、むしろ初期脱毛はAGA治療の効果が現れ始めたサインといって良いでしょう。
1ヶ月~3ヶ月程度
AGA治療を始めてから約1ヵ月後、初期の抜け毛が落ち着き始めます。これはヘアサイクルが正常化し始めた証拠で、この頃になると抜け毛が気にならなくなります。
なおAGA治療薬の使用に伴う一般的な副作用には、頭痛や胃腸の不調などがあります。
しかし、これらの副作用は一般的に軽度で短時間で終わることが一般的です。
副作用が気になりだすのもこのくらいの時期ですが、心配はありません。気になるようでしたら、担当の医師へ相談ください。
全体として、AGA治療はほとんどの人にとって安全で効果的であると考えられています。
3ヶ月~半年程度
AGA治療を始めてから3~6ヶ月ほどで、AGA治療の効果を実感できる段階に入ります。
具体的には、産毛の発毛が始まる、以前より髪が太くなったように感じる、などです。
効果が目に見えはじめ、モチベーションが上がり始める時期でもあるので、この段階まで治療を続けられるかどうかが最初の関門といってもよいでしょう。
そして治療が成功するかどうかは、これからの数カ月が重要です。
この間は、根気よく治療計画に沿っていくことが大切であり、AGA治療において狙った結果を得るためには、一貫して治療を続けていく事が重要なのです。
半年~1年程度
AGA治療を始めて半年から1年ほど経つと、見た目や印象が変化してくるケースが多く見られます。周囲から 「何か雰囲気が変わったね」と言われるケースも多いようです。
ご自身の気持ちも楽になり、自尊心も向上するのがこのくらいの時期でしょう。
外向的で自信に満ち溢れ、外見に誇りを持つようになる方もいらっしゃいます。
2年経過後以降
そしてAGA治療を始めて2年程度が経過すると、AGA治療としての効果がほぼ出揃い、減薬を検討してもよい段階となります。
ここで重要なのは、AGA治療には終わりがないということで、減薬しても服用を継続することが大切です。
AGA治療方法
AGAの治療法には、いくつかの種類があります。ここでは、各治療法の概要と特徴についてご紹介します。
AGA治療薬(内服薬・外用薬)
AGA治療薬による治療は、ここまでご紹介のとおり、症状を引き起こしている原因を根本的に治療するための方法です。
AGA治療薬には、内服薬と外用薬の2種類があります。
内服薬は、一般的なお薬と同様、錠剤やカプセルの形で口から服用するものです。これらの薬は、抜け毛の原因となるホルモンの生成を阻害することで効果を発揮します。
一般的な内服薬には、プロペシア(フィナステリド錠)、ザガーロ(デュタステリド錠)、その他、ミノキシジルがあります。
※ミノキシジルは内服・外用どちらでも使われます。
AGA外用薬は、ローション、フォーム、スプレーなどの形で頭皮に直接塗布します。
これらの薬は基本に、発毛を促進するために使用されます。
一般的な外用AGA治療薬としては、ミノキシジルが髪を生やすのに効果的です。
※髪を生やす方法を公開中↓