AGAの治療には、主に「フィナステリド」と「ミノキシジル」の2種類の薬剤が使用されます。
これらの薬剤は、それぞれ異なる作用機序と効果を持ち、併用することで高い治療効果が期待できます。以下に、各薬剤の詳細と注意点をまとめます。
フィナステリドの概要と効果
フィナステリドは、AGA治療用の内服薬として広く使用されています。
日本では、MSD株式会社の「プロペシア錠」が有名です。
元々は前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、その過程で薄毛改善効果が発見されました。
作用機序
薄毛の主な原因は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びつき、DHT(ジヒドロテストステロン)に変換されることです。
DHTは毛髪の成長を抑制し、脱毛を引き起こします。フィナステリドは、5αリダクターゼの働きを抑制することで、DHTの生成を減少させ、結果的に抜け毛の進行を抑えます。
効果
フィナステリドは主に「抜け毛の進行を抑制」する効果があります。
直接的な発毛作用はありませんが、継続的な使用により、ヘアサイクルが正常化し、結果的に毛髪の密度が改善されることがあります。
効果を実感するまでには平均で6カ月程度かかります。
ミノキシジルの概要と効果
ミノキシジルは、1960年代に米国のファルマシア・アップジョン社(現・ファイザー株式会社)によって、高血圧症患者向けの血圧降下剤として開発されました。
しかし、臨床試験中に多毛症(体毛が濃くなる)の副作用が報告され、これを契機に薄毛治療への応用が検討されるようになりました。
1980年代には、ミノキシジルを有効成分とする濃度2%の外用薬が薄毛治療用として登場し、以降、世界中の製薬会社からミノキシジルを含有する外用薬が発売されています。
日本国内においても、ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)治療に効果のある外用薬として認可されており、一般的には濃度2%から5%の製品が主流です。
ミノキシジルの発毛効果は、主に以下のメカニズムによると考えられています。
毛包への直接作用: ミノキシジルは、髪をつくる「毛包」に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することで発毛を促します。
ヘアサイクルの改善: ヘアサイクルの変化で小さくなった毛包に働きかけ、大きく深くすることで、細く軟毛化した毛髪を太く抜けにくい毛に成長させます。
血行促進: ミノキシジルの血管拡張作用により、頭皮の血行が促進され、毛根への栄養供給が改善されるとされています。
一方、ミノキシジルの使用に際しては、副作用の可能性も考慮する必要があります。
主な副作用として、頭皮や皮膚のかゆみ、発赤、かぶれ(接触皮膚炎)、ふけ、頭皮の発疹、使用部位の熱感などが報告されています。
これらの症状が現れた場合は、使用を中止してください。
また、ミノキシジルの使用により、初期脱毛と呼ばれる一時的な脱毛が起こることがあります。これは、ヘアサイクルが休止期から成長期に移行する際に見られる現象であり、一般的には1〜2ヶ月で収まるとされています。
さらに、ミノキシジルの内服薬に関しては、血圧への影響や全身性の副作用が懸念されるため、日本国内ではAGA治療の内服薬としては承認されていません。
そのため、国内ではミノキシジルを含む外用薬のみが市販薬として承認・販売されています。
作用機序
ミノキシジルは血管拡張作用を持ち、頭皮の血流を改善します。
これにより、毛根への栄養供給が増加し、毛母細胞が活性化され、発毛が促進されます。
効果
ミノキシジルは「発毛促進」の効果があります。
外用薬としては、一般の薬局で購入できるミノキシジル5%配合の製品がありますが、内服薬や高濃度の外用薬の取り扱いはない為、個人輸入にて入手ができます。
効果を実感するまでには数カ月かかることが一般的です。
フィナステリドとミノキシジルの併用
フィナステリドとミノキシジルは、それぞれ異なる作用機序を持つため、併用することで「抜け毛の抑制」と「発毛促進」の両方の効果が期待できます。
AGAが進行している場合、薄毛改善するには併用が必須です。
まとめ
フィナステリドとミノキシジルは、AGA治療において有効な薬剤ですが、それぞれ効果が異なります。
治療を開始する際は、適切な治療計画を立てることが重要です。
また、効果を実感するまでには時間がかかるため、継続的な使用と定期的な経過観察が必要です。
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