一時期テレビのCMをたくさん流していた発毛専門リーブ21について見ていきます。
発毛日本一コンテストを開催したりと売り込みの余念がないリーブ21ですが、発毛に医学的な根拠は一切なく費用も常識外れの高額です。
医師が行うハーグ療法ですら高額かつ効果も大して期待できないのに、ただの民間企業がそれ以上の金を吸い上げてます。
怪しげなケアとホームケアを行わせ、ぼったくり価格のシャンプーや育毛剤を売りつけるその手法は驚愕の一言で、なんでこんなものに騙される人が後を絶たないんだろうと不思議に感じます。
色々とトラブルを起こし、何度も裁判沙汰になっていることでも有名なリーブ21の実態に迫ってみます。
- リーブ21の発毛メカニズム
- AGAに遺伝や体質は関係ない?
- 名ばかりの返金制度
- 一切根本的な解決になっていない
- リーブ21では発毛剤の使用を進めてくる
- 裁判を起こされている
- リーブ21の高額料金の実態
- リーブ21はAGAには効果なし
リーブ21の発毛メカニズム
リーブ21の公式サイトでは人間の持つ自然治癒力を活性化することで薄毛に立ち向かうらしく、13,800種に及ぶ天然由来の成分を研究して育毛剤とかサプリメントとかシャンプーとかを作ったとのこと。
本格的かつ超高額なコースでは天然の成分を用いた施術を月2回行った上で、食事や生活習慣を改善するアドバイスを行い、まったく発毛根拠がないホームケア機器を使って家でもケアを行えば、フッサフサになるらしいす。
しかし、発毛には個人差があるとのこと。
ついでに超平凡な成分を配合した育毛剤を15,000~20,000円で購入し使用すると共に、これまた高額かつ平凡なシャンプーや健康食品も併用すると、フッサフサになるとのこと。
しかし、発毛には個人差があるとのこと。
AGAに遺伝や体質は関係ない?
リーブ21が強調するのは、薄毛の原因は生活習慣や食生活、運動不足、ストレスなどが原因で薄毛になるという点で、そこに遺伝や体質といった文言は一切出てこないです。
ちなみに、医学的には薄毛の原因であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す5αリダクターゼという酵素の分泌量やDHTの感受性は遺伝によって大半が決まるとされており、医学的にも常識となっています。
一方で、医学と全く関係のない一民間企業のリーブ21では、薄毛の原因は生活習慣などで自然治癒力が衰えた結果とのこと。
一応、薄毛の原因物質としてDHTや5αリダクターゼという言葉が出ているので、リーブ21的には遺伝だろうが体質だろうが自然治癒力を高めれば弾き返せるという理論になるのでしょうか?
自然治癒力は、胡散臭い民間療法がよく使う言葉の典型です。
目に見えないし数値化もできないから言いたい放題です。
名ばかりの返金制度
リーブ21では効果が出なかった際には施術料の返金に応じるとしています。
しかし、条件は「1年以上のトータルコース、オウサムクラスA・B、グレイスクラスA・Bの各コースを受けられてコース終了時点で効果がなかった場合、施術料を全額返金する制度です」とのこと。
これらのコースは本格的なケアを行うもので、これより1つ下の比較的ライト発毛促進コースというプランで1ヶ月約8万円と聞けば、これらのコースの費用が想像つくはずです。
もちろんこの料金には育毛剤やシャンプー、健康食品は含まれていないため、トータルではもっと高くなりますし、返金の対象は施術料なので、商品購入のお金は一切返金されません。
また、後述しますが、リーブ21を受けた男性が返金を求めて裁判を起こし勝訴しており、その中で語られた施術日は4年で490万円。商品購入代金も合わせると680万円です。
ちなみに、この裁判でリーブ21側は「必ず生えるとは言っておらず個人差があることは伝えた」と反論しています。
そこでリーブ21の発毛の定義を見てみるとリーブ21の発毛とは施術前と施術後の写真を比較し、脱毛部分にあきらかに黒い髪が生えている、またはあきらかに毛量の増加が客観的に認められることと定義します」とあり、1年以上の高額なコースで効果がなかった場合は返金に応じるとしています。
しかし、ここでは「発毛の定義を満たさなかった場合」ではなく「効果がなかった場合」としている点がポイントです。
産毛だろうが数本だろうがちょびっとでも生えれば返金に応じないとのこと。
一切根本的な解決になっていない
リーブ21は体の内外から健康にし薄毛を根本的に解決すると謳ってます。
しかし、それには年単位に及ぶ施術やケアが必要になり、万が一発毛したとしてもリーブ21を止めれば薄毛に逆戻りです。
根本的な解決ってのはフサフサかつケアの必要がない状態を指すんじゃないでしょうか?
薄毛の原因は5αリダクターゼや、それが生み出すDHTなので、5αリダクターゼの分泌や感受性を半永久的に抑制したり、DHTの生成を生涯にわたって抑えてこその根本的な解決になりません。
リーブ21を止めた後に再び薄毛になったところで「自己責任」と片付けるようです。
当然返金に応じる義務はないから泣き寝入りです。
リーブ21では発毛剤の使用を進めてくる
リーブ21では長期間にわたって効果が出ないような頑固な薄毛に対しては医薬品をおすすめすることがあると明記しています。
リーブ21の施術や育毛剤、ホームケア機器を使っても髪の毛が生えない場合、発毛剤であるプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)とミノキシジル(外用)を使わせ、その効果により発毛したら「リーブ21の技術すごいでしょう」という流れです。
発毛剤の効果とはいえリーブ21利用中に髪の毛が生えた事実があるから、後で「効果が無かったから金返せ」と申し出ても「返金保証の対象外です」と言い逃れをします。
裁判を起こされている
常識的な感覚を持っていればリーブ21が行う一切の科学的根拠がない発毛は明らかに怪しいと感じるのは自然なことです。
色々と裁判を起こされている点からも効果がないと感じることができます。
リーブ21絡みの裁判でもっとも有名なのは、上でも書いたように4年間続けてほとんど髪が生えなかった男性によって起こされた慰謝料・返金請求の裁判で、報道では以下のようになっています。
「必ず生えてくる」との勧誘を信じ発毛サービスを受けた大阪府内の男性(58)が、効果がほとんどなかったとして、業界大手「毛髪クリニック リーブ21」(大阪市中央区)に慰謝料など約830万円の損害賠償を求めた訴訟が、同社が解決金430万円を支払うことを条件に大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解していたことが分かった。
訴状によると、男性は01年4月、同社のチラシをみて「頭頂部が薄くなって久しい」と相談したところ、従業員から「大丈夫。必ず生えてきます。発毛には3年を要する」などと言われて契約した。05年5月まで週2回のペースで施術を受けたが、細い毛が少し生えた程度の効果しかなかった。06年1月に提訴した。
同社は訴訟で「効果には個人差があると事前に伝えていたし、広告にも明記している」と反論したが、地裁の和解勧告を受け、契約金の約9割にあたる解決金を支払うことで和解した。
同社広報部は「男性も一定の効果は認めており、効果はあったと考えるが、結果的に強い不満を持たれた男性の意思を尊重した」としている。
上でも書いているようにこの男性は4年間で施術料490万円、商品購入代金を合わせると680万円支払ったとされ、それだけ払っても少し生えた程度というあたりにリーブ21の実力が垣間見えるます。
次に女性支店長による裁判です。
訴状などによると、女性は大阪府内の 支店長だった昨年7月、別の支店に指導役として派遣された際、 高額な育毛トニックを不必要に売りつけていることなどを指摘 した報告書を会社に提出し、支店を統括する上司と衝突。
社長あてに「上司に命じられ無理に会員の契約に走っている」 などとメールを送ったところ、翌日、上司から「オペレーター」 への降格処分を通告された。
月給が10万円以上下がったうえ、激務から椎間板(ついかん ばん)ヘルニアを患っていた女性は処分を拒否し、休職。退職を余儀なくされた。
女性が労働組合での団体交渉で抗議すると、同社側は「降格 処分は不適切だった」とする謝罪文と120万円の和解金を 提示したが、女性は納得せず提訴に踏み切った。
リーブ21の企業姿勢が見て取れる裁判です。
後継社長をインターネットで公募したトラブルに関する裁判です。
育毛サービス大手「毛髪クリニック リーブ21」(大阪市中央区)が公募で次期社長の候補に選んだ男性(47)が、「実際は社長に引退の意思はなく、公募は虚偽だった」などとして4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、大阪地裁であった。福田修久裁判長は「1年以内に社長を譲るという説明は事実と異なる」として訴えを一部認め、同社側に100万円の支払いを命じた。
判決などによると、同社は2011年、創業者の岡村勝正社長(72)の後継社長をインターネットで公募すると発表。約500人の中から男性を含む4人を選び、この中から1年~1年半後に社長を決めると説明していた。男性は翌年2月に入社したが、社長になれないまま約1年後に退職。他の3人も2~3カ月後に退職した。
福田裁判長は、岡村社長に引退の意思はあったと認める一方、「公募の際、次期社長となるのに長くて3年かかり、代表権の譲渡はさらに検討を要すると想定していた」と指摘。「3年かかるなら応募しなかった」という男性の訴えを認めた。
また男性は、同社が公表している「発毛率95%以上」は虚偽で、実際は約40%だったとも主張した。これについて福田裁判長は、同社が不満を抱いた顧客に返金した割合から発毛率を計算していたことから、「偽ったとまでは言えない」と退けた。
リーブ21の高額料金の実態
リーブ21では下記の主に3つのコースが用意されています。
①抜け毛防止コース
②育毛健毛コース
③発毛促進コース
それぞれのコースでは、カウンセリングや日々の頭皮ケアのアドバイスが受けられ、施術ではクレンジングやシャンプー、発毛剤などを使ってケアをしていきます。
髪の状態などによってコースがかわり、期間などによっても値段が違いますので、それぞれどんなコースなのか見ていきます。
①抜け毛防止コース
自宅でのケアを中心にしながら、抜け毛を防いでいくコースです。あくまでも食い止めが目的にされていると考えられます。
▼内容
・施術約15分(月2回)
・カウンセリング
・ケア商品(エバーシャンプー(200ml)×1、エバーコンディショナー(100ml)×1、エバートニック(250ml)×1)
②育毛健毛コース
育毛健毛Aコースでは、お近くの店舗で月2回の施術をしていくコースです。
今ある毛をより育てることが目的にされていると考えられます。
▼内容
・育毛施術約30分(月2回)
・カウンセリング(月1回)
・ケア商品(別途購入)
▼費用
・月2回通う育毛健毛Aコース以外に、月に1回の施述を行うBコースというのもあります。
・AコースとBコースの費用は下記の表の通りです。
1)育毛健毛Aコース(2回施述/月)
1ヶ月:8,100円×2回 =16,200円
3ヶ月:7,820円×6回=46,920円
6ヶ月:7,610円×12回=91,320円
1年 :7,200円×24回=172,800円
2)育毛健毛Bコース(1回施述/月)
1ヶ月:8,100円×1回=8,100円
3ヶ月:7,980円×3回=23,940円
6ヶ月:7,820円×6回=46,920円
1年 :7,610円×12回=91,320円
③ 発毛促進コース
発毛施術とホームケアをしていくコースです。生えなくなったところから発毛させることを目的としていると考えられます。
▼内容
・育毛施術約60分(月2回)
・カウンセリング(月1回)
・レベルチェック
・ケア商品(アクティシャンプー(200ml)×1、スカルプコンディショナー(200ml)×1、リーブトニックNT(140ml×2)×2)
ホームケアコース5時間:29万4000円
3ヶ月コース25時間:56万9310円
6ヶ月コース50時間:96万5160円
1年コース100時間:169万3860円
1年6ヶ月コース150時間:238万560円
2年コース200時間:306万7260円
1年コース(発毛保証あり)100時間:393万円
1年半コース(発毛保証あり)150時間:572万円
2年コース(発毛保証あり)200時間:745万円
高額な自毛植毛やかつらですら霞む超高額です。
これに加え育毛トニックやらシャンプーやら買わせるわけだから、もはや常軌を逸してます。
正義感の強い女性支店長が訴えたくなるのもうなずけます。
ガン治療などでも藁にもすがりたい患者の足元を見て甘く囁く科学的根拠の全くない高額な民間療法が横行していたりしますが、同じ臭いがします。
リーブ21はAGAには効果なし
リーブ21は自然治癒力を高め薄毛を治すなんてもっともらしいことを謳っていますが、遺伝や体質がほとんどの原因を占める男性型脱毛症(AGA)はそんな生ぬるいものではないです。
そもそも、リーブ21で効果が出ない強固な薄毛にはプロペシアやミノキシジルといった医薬品をおすすめすることもあると謳っている時点で発毛剤の方が効果があると認めているようなものです。
産毛が多少生えただけでも「発毛効果はあった」として返金には応じないなど明らかに悪質ですし、発毛率98%という数字も「返金に応じない=発毛した」という強引な印象操作によるものです。
件の発毛剤をおすすめする文言を一字一句そのまま引用すると「5α-DHTの影響が特に強い一部のお客様の場合、医薬品をおすすめすることがあります」となるならリーブ21に通う必要がないです。
そもそも医師の介在しないサービスで「発毛」を謳うのは薬機法に問題があります。
リーブ21に行くくらいなら個人輸入でプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)とミノキシジル(外用)のジェネリック を購入した方が方が遥かに効果的です。
リーブ21自体も効果がでない客に最終的には、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)とミノキシジル(外用)を最終的に進めてくるふしがあるくらいです。(しかも、輸入商品をかなり値段を上乗せして販売して来ます。)
ネットで個人輸入を行えば、毎月1万円以下でAGA治療ができます。
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