アボダート(Avodart)は、デュタステリドを有効成分とするAGA(男性型脱毛症)に効果的な薬です。しかし、日本では製造販売の承認がないため、海外からの個人輸入が必要です。この記事では、アボダートと日本で製造販売される同じ成分の薬や、個人輸入について紹介します。
- アボダートの効果
- AGAに対する効果
- アボダートがAGAを改善する仕組み
- アボダートは生え際の薄毛にも効果がある
- アボダートで皮脂は減る
- AGAへの効果が出る期間
- AGAに効かなかった場合
- アボダートを個人輸入
アボダートの効果
前立腺肥大症
(1) 肥大した前立腺を縮小します。
(2) 男性における男性型脱毛症にも有効です。他の脱毛症を改善する効果はありません。
アボダートの主成分デュタステリドは、5αリダクターゼと呼ばれる酵素をブロックし、前立腺肥大症の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を阻害します。
DHTは前立腺を肥大させて尿道を圧迫します。これにより、排尿困難や残尿感、頻尿といった症状を引き起こします。
また、DHTは頭髪の成長を妨げて髪の寿命(ヘアサイクル)を短くしてしまう作用もあります。AGA(男性型脱毛症)による抜け毛や薄毛をも引き起こします。
デュタステリドはDHT抑制作用により、前立腺肥大症およびAGAを治療する効果があります。AGA治療薬としては従来の薬(フィナステリド)よりも高い効果を発揮します。
前立腺肥大症に対する効果
アボダートは日本国内で前立腺肥大症の治療薬として処方されているアボルブの海外版であり、名前が異なるだけでアボルブと同一の医薬品です。
アボダートの主成分デュタステリドは、前立腺を肥大させる男性ホルモン(DHT)を強力に抑制する作用があります。DHTを減少させ、肥大した前立腺を縮小させます。アボダートは、前立腺肥大に伴う排尿困難や残尿感、頻尿を改善する効果が期待できます。
前立腺肥大症への効果を示した臨床データ
アボダートが前立腺肥大症を治療する効果は、日本でアボルブの開発時に行われたデュタステリドの臨床試験で証明されています。
前立腺肥大症の患者を対象としたデュタステリドの臨床試験では、プラセボとの比較が行われました。プラセボとは、薬効成分を含まない偽薬のことです。試験では服用するグループを分けて、それぞれ長期服用による効果が測定されました。
1年間にわたる投与が行われ、前立腺体積や最大尿流率の推移が測定されました。被験者に対しては、自覚症状についてのアンケートも実施されました。いずれも、アボダートがプラセボに比べて前立腺肥大症の症状を有意に改善する結果となっています。
前立腺体積と最大尿流率の改善を示す測定値
試験の結果、前立腺の体積においては投与前に比べ、デュタステリドのグループで平均33.8%の体積減少が確認されました。プラセボのグループでの体積減少は平均10.8%です。減少した割合においては、デュタステリドがプラセボのおよそ3倍の数値となりました。
最大尿流率に関しても、およそ改善を示す数値に3倍の差が確認されました。プラセボのグループが平均0.7ml/秒の改善であったのに対して、デュタステリドのグループでは平均2.2ml/秒の改善が認められています。
自覚症状の改善レベルを示すアンケート結果
自覚症状の改善レベルを示すアンケートは、IPSS(国際前立腺症状スコア)という基準を元に算出されました。IPSSの内容は、以下に挙げる7つの自覚症状の発症頻度を0〜5の6段階で自己採点するというものです。平均スコアが低いほど、症状が軽いと判断されます。
排尿後に残尿感がある
排尿後、2時間以内にトイレに行きたくなる
排尿の途中で尿が切れる
排尿を我慢するのがつらいと感じる
尿の勢いが弱いと感じる
排尿時にいきむ必要がある
夜寝てから朝起きるまでトイレに行く回数
IPSSを用いたアンケートにおいては、自覚症状のスコアがプラセボで平均3.7ポイントの減少でした。これに対し、デュタステリドでは平均5.3ポイントの減少となりました。
さらに海外では、α1遮断薬タムスロシン(ハルナール)との併用療法における臨床試験も行われました。試験では、IPSSスコアが早期の段階から飛躍的に改善していることが示されています。
前立腺肥大症への効果が出る期間
アボダートが前立腺肥大症の症状を緩和する効果を実感できるまでの期間として、一般的に6ヶ月を要します。効果の有無を判定するためには、アボダートの服用開始から最低6ヶ月以上の期間が必要です。
アボダートは、DHTの産生を防ぐことで前立腺肥大を改善する薬です。前立腺へ直接的に強く作用するわけではありません。単剤で治療する場合は、根治するまでに時間がかかります。
排尿困難や残尿感、頻尿といった症状を早く緩和したい場合には、α遮断薬タムスロシン(ハルナール)との併用療法が有効です。タムスロシン(ハルナール)は、前立腺を縮小させる作用があります。
前立腺肥大症に効かなかった場合
アボダートを6ヶ月以上服用して症状の改善が不十分だった場合、2つの選択肢があります。より効果が強力な前立腺縮小薬としてクロルマジノンに切り替えるか、外科手術による前立腺摘出となります。
クロルマジノン(プロスタール)は、1年間の服用によって45〜50%の体積減少が見込めます。ただし、血栓症や肝機能障害といった重篤な副作用のリスクを伴います。明確にではありませんが、16週以上にわたっての服用はしないよう注意喚起されています。
クロルマジノンを服用する場合は適時デュタステリドと切り替え、リスクを防ぎながら治療を行います。
外科手術は、薬による治療がいずれも効かなかった場合や緊急度が高い場合に行われます。緊急度が高いのは、完全に排尿ができなくなるような重症(尿閉)の場合です。
AGAに対する効果
アボダートは、日本国内のAGA治療薬ザガーロと同量のデュタステリドを含んでいます。薬品名と適応疾患が異なるだけで効果は同じです。
アボダートは強力なDHT抑制作用により、AGA(男性型脱毛症)を治療する効果もあります。主成分のデュタステリドは、従来のAGA治療薬(フィナステリド)よりも強力かつ広範囲にわたってDHTを抑え込みます。
アボダートを服用すれば、フィナステリド(プロペシア)で十分な改善が見られないような薄毛に対しても、治療効果が期待できます。
AGAへの効果を示した臨床データ
アボダートがAGA(男性型脱毛症)を治療する効果は、日本でザガーロの開発時に行われたデュタステリドの臨床試験で証明されています。
AGA患者を対象として行われた臨床試験では、1年間にわたってフィナステリドとデュタステリドの比較が行われました。結果として、デュタステリドを使用したグループの毛髪量および毛髪の太さが、より明確に改善されています。
増毛効果を示すデュタステリドの臨床成績は、フィナステリドの1.6倍です。
直径2.54cm円(およそ500円玉の大きさ)内の毛髪量においては、フィナステリドが56.5本の増加でした。それに対し、デュタステリドは89.6本も増加しています。
育毛効果を示すデュタステリドの臨床成績は、フィナステリドの1.5倍です。
毛髪の太さにおいてはフィナステリドが4(×10³μm)の増加でした。それに対して、デュタステリドは5.8(×10³μm)の増加となっています。
これらの数字から、デュタステリドはフィナステリドよりも優れた薄毛改善効果を発揮すると考えられます。
臨床試験における投与量(0.5mg)と同量のデュタステリドを含んだアボダートにおいても、同等の効果が期待できます。
アボダートがAGAを改善する仕組み
アボダートの主成分デュタステリドは、5αリダクターゼと呼ばれる酵素の働きをブロックします。5αリダクターゼの働きが阻害されることで、AGAの原因となるDHTの産生量が減ります。
5αリダクターゼには1型と2型があります。このうちAGAと深く関係しているのは2型です。従来のAGA治療薬フィナステリドは2型の5αリダクターゼに対してのみ作用するのに対し、デュタステリドは1型の5αリダクターゼにも作用します。加えて2型5αリダクターゼに対する作用においてもデュタステリドの方が強力です。
5αリダクターゼをブロックしてDHTの産生を防ぐことで、毛髪の健康状態が回復します。これは、DHTによって縮められていたヘアサイクルが正常に戻るためです。ヘアサイクルが正常になると、AGAを発症している部位の抜け毛や軟毛化が抑えられます。こうした仕組みによって、薄毛の進行をくい止める効果が発揮されます。
アボダートは長期服用によって薄毛の改善効果も期待できます。DHTの産生量をデュタステリドが抑えることで、新たに生えてくる毛髪は健全に成長します。抜け毛や軟毛が多かった部位においては、健全な太い毛髪の割合が徐々に増えていきます。毛髪の見た目が全体的にボリュームアップすることで、結果として薄く見えていた部分が目立たなくなっていきます。
アボダートと一緒にミノキシジルを使用すれば、上記の効果に加えて毛根の活性化による発毛効果が上乗せされます。2剤の併用によって、単剤よりも効果的な薄毛治療が可能です。
アボダートは生え際の薄毛にも効果がある
前頭部の生え際は頭皮が固くて血管が少なく、育毛効果が出にくい部位です。特に両サイドがM字に後退するタイプの薄毛は、AGA治療薬フィナステリドや発毛剤ミノキシジルをもってしても治療は困難です。
M字など後退した生え際が改善するうえで、アボダートの服用のみでは不十分な場合があります。後退した生え際を改善するには、ミノキシジルとの併用や生活習慣の改善など、他の薄毛対策を適切に組み合わせることが大切です。
アボダートで皮脂は減る
アボダートやザガーロなどのデュタステリド製剤は、皮脂腺の活動を抑えて皮脂の分泌量を減らす効果が期待できます。頭皮における皮脂の分泌量が多すぎる場合、デュタステリドの働きによって減らせます。
デュタステリドは、皮脂腺に多くある1型5αリダクターゼを阻害します。デュタステリドと皮脂量との関係性を示す臨床データはありません。とはいえ、皮脂の分泌はDHTによって増加することは確認されています。そのため、DHTの産生量を抑制することで皮脂の増加を防ぐことは、理論上可能です。
AGAへの効果が出る期間
アボダートの効果が実感できるまでの期間は、服用開始から平均6ヶ月が目安です。デュタステリドのようなAGA治療薬の薬効は、髪の成長速度にも左右されます。そのため、抜け毛の減少やボリュームアップを実感できるまでの期間には個人差があります。
早い人だと、3ヶ月ほどで薄毛部位に産毛が増えるなどの変化がみられます。ただし、より明確な効果を実感するには、そこから更に3ヶ月が必要です。
アボダートは長期服用で耐性がつく?
デュタステリドのようなAGA治療薬は、薄毛の改善を望む間はずっと継続服用する必要がありますので、年単位での長期服用が基本となります。アボダートの長期服用において心配されるのは、耐性がついて効果がなくなるのでは、という点です。
アボダートを年単位で長期服用しても、体に耐性はつきません。デュタステリドを長期服用した場合の有効性および安全性は、臨床試験によって確認済みです。
AGAに効かなかった場合
アボダートは効き目がすぐには実感できない薬です。なかなか効果を実感できなくとも、最低6ヶ月は服用を続けましょう。
デュタステリドのような内服型のAGA治療薬は、1年以上の服用によって効果が出てくるようなケースもあります。
デュタステリドより強力なAGA治療薬は認可されていません。そのため、デュタステリド製剤がAGAに効かない場合、内服薬以外の治療方法に切り替えなければなりません。
服薬以外の治療手段としては、薬効成分を直接頭皮に注射するメソセラピーおよびHARG療法といった手段があります。そのほかの選択肢としては、外科手術による植毛などが挙げられます。
アボダートを個人輸入
国内未承認薬であるアボダートを入手するには個人輸入で簡単に手に入れる方法があります。同成分のザガーロは高額になりますが、アボダートは安価で経済的にAGA治療ができます。
※髪を生やす方法を公開中↓